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TCHについて -Tooth Contacting Habit-

2023年6月に参加した日本顎咬合学会についてのブログで、今後増えると予想される病気についてご紹介させて頂きました。

 
ここで取り上げたTCHについてもう少し詳しくご説明しますね。

TCHとは

Tooth contacting habitの略で、上下の歯を長時間接触させ続ける癖のことです。
人は普段、リラックスした状態で唇を閉じている時、上の歯と下の歯は接触していません。
通常上下の歯の間には1〜2mmの隙間があると言われています(これを『安静空隙』と言います)。
上下の歯が接触するのは基本的には食事中、咀嚼している時だけで、1日あたりの接触時間は20分程度が正常です。

自分がTCHかどうかはどうしたら解る?

「5分間意識的に上下の歯の隙間を維持する」
「5分間意識的に上下の歯を接触し続けてみる」
この両方を試してみて下さい。
どちらの方が楽に感じましたか?
上下の歯が接触している方が楽に感じられた方は、TCHと診断されます。

どうしてなるの?

日常生活上での様々なストレスや緊張、勉強や仕事での集中状態などが原因として考えられます。
またマスクをして頭を下げスマホを見る姿勢は、上下の歯が接触しやすくなります。

なぜダメなの?

歯への負担は
「 力の大きさ × 時間 」
で計算されます。
弱い力であっても長時間歯が当たっていることによって、歯や顎には大きな負担がかかります。
ずっと正座をしていると足が痺れてしまうように、長時間のTCHは様々な症状を引き起こしてしまいます。

歯の症状

しみる・痛む・欠ける・神経が死んでしまう……など

顎の症状

顎がだるい・こめかみが痛む・口が開けにくい・顎がカクカク鳴る・顎関節症になる……など

対処法は?

口を閉じた時には、舌をスポットにつけるように意識しましょう。

お口の中での舌の正しい位置は、舌先が上の前歯の裏側にくっついている状態です。
こうしていると舌が支えとなって上と下の歯の隙間を保ってくれます。

20分ごとに息をふーっと吐くように意識しましょう。

TCHの原因は緊張状態や、集中状態だと考えられています。
意識的に息を吐くことでリラックスし、力のかかる状態から解放しましょう。

虫歯もないのに歯が痛む場合、こういった何気ない癖が原因のことも多くあります。
今はまだ痛みなどの症状がない方も、一度ご自身でチェックしてみて下さいね。

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日本顎咬合学会・学術大会に参加してきました《その3》

6月17日-18日に東京国際フォーラムで行われた日本顎咬合学会・学術大会に参加してきました。

内容が盛り沢山なので、全3回で学会の様子をお届けしています。
前回は学会で紹介されていた『今後増えると予想される病気』をご紹介しました。

学会発表は自分へのノルマ

学会では私もポスター発表をしてきました。

これで今年のノルマは達成です!
というのも《毎年1回はどこかで発表をする》というのを自分へのノルマにしています。
症例発表というのは自分の治療を振り返り、他の先生からのアドバイスをもらうとても良い機会です。
日々の診療に追われる中で、誰に目も入らず治療をしていくと治療の質は落ちていってしまいます。
家にお客さんが来るとなったら隅々まで家の中を綺麗に掃除するようなものです。誰かに見られるとなったら細かなところまで気を遣って経過が分かるように写真を撮ったり、論文のデータを集めたりするのです。

チェアワークとデスクワーク

そもそも歯科治療はチェアワークとデスクワークが両輪となって進むものだと言われています。
チェアワークというのは、歯を削ったりセラミックを入れたり手術をしたり、患者様に対して治療を行うことで、みなさんがよくご存知の部分です。
一方デスクワークというのは、レントゲンや検査結果などを元に、診断を行ったり治療計画を立てたりすることです。症例発表も自分の治療がどうだったのかを振り返って、こうすればもっと良くなっていたのではないかと考えることにつながるのでデスクワークの一環です。
だから歯医者は患者様がいない時も仕事をしてるんですよ?

ここだけの話ですが、デスクワークをないがしろにしている歯医者は多いです。
治療計画を立てていないから1本の虫歯が終わってから「あと他に治療するところはないかな?」と探して「あ、ここにも虫歯がありました、次回はここを治療しましょう」という具合です。
簡単な処置ならそれで問題ないこともありますが、噛み合わせなど口の中全体が関わる治療になってくるとそんなやり方では大きな問題が起きてしまいます。
またこれについてはブログで紹介したいと思います。

自分の発表について

話を戻して今年の学会ではインプラント症例のポスター発表をしました。
この症例は、前歯が折れてしまった患者様で、歯ぐきが腫れた状態でした。
折れた歯を抜くと同時にインプラント手術をして、しかもルートメンブレンという特殊なテクニックを使って骨が吸収しないように工夫した症例の発表です。
治療期間は約3ヶ月で、短期間で良い結果を残せた症例なので発表することにしました。

皆さんの周りにインプラントをしたことがある方はいらっしゃいますか?

開院当初にしちご歯科にインプラントの相談に来られた方がいました。
その方は別の歯科医院で前歯のインプラントをして、1年くらい前歯がない状態でした。

「3ヶ月後に次の処置がある予定だけど、もう早く歯を入れて治療を終わらせたい」という相談でした。
しかし前の医院で治療費も支払い終えられていますし、どんなインプラントを使用されているか分からなかったので治療を引き継ぐことは出来ませんでした。
あの方も最初から当院で治療させてもらっていたら、3ヶ月で治療が完了していただろうな、と思います。

一般的にインプラント治療は1年ほどかかります。
しちご歯科のインプラントは3ヶ月ほどで終えられるので、その典型的なパターンを今回の学会で発表いたしました。

歯科のメーカー賞を受賞する候補にまでなったのですが、残念ながら受賞はできませんでした。
学会から送られる優秀賞は後日発表になるのでそちらを受賞できていたらいいな、と思っています。
賞を獲れるかどうかは別として、学会発表は自分の治療を振り返れる良い機会ですので、今後も毎年1回は発表をし続けようと思います。

これで今回の学会発表の報告は終わりです。
また来年の学会に向けて、チェアワークとデスクワーク、どちらも怠らずに励んでいこうと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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日本顎咬合学会・学術大会に参加してきました《その2》

6月17日-18日に東京国際フォーラムで行われた日本顎咬合学会・学術大会に参加してきました。

内容が盛り沢山なので、全3回で学会の様子をお届けしています。
前回は学会で紹介されていた『最先端の技術』をご紹介しました。

今後、増えると予想される病気

学会では今後の歯科界の展望なども論じられていました。それについても少しご紹介します。

顎関節症

コロナ禍での長期間のマスク生活で、知らず知らずのうちに身についてしまった悪い習慣があります。それはTCHと呼ばれる癖です。

TCHとはTooth Contacting Habbitの略で、上下の歯を長時間接触させ続ける癖のことです。通常は上下の唇を閉じた時には、歯は接触していません。上下の歯の間には1〜2mmのスペースがあるのが正常です。でも、それが正常だとは誰も認識していないので歯を接触させてしまっている人が増えているようです。

特にマスクをしてスマホを見るために頭を下げている姿勢だと上下の歯は接触しやすいです。その状態で何時間もいると、歯や顎に大きな負荷がかかってしまいます。そして顎関節症になってしまうのです。

逆に顎関節症になってしまった場合の治療法は、まずはTCHを治すことです。TCHについてはこちらで詳しく説明しておりますので、ご覧ください。

 

Tooth Wear

次は高齢者に起こりやすい病気です。昔は高齢になると歯がなくなって入れ歯になる方が多かったです。最近では、自分の歯がちゃんと残っている方が増えてきました。ですが歯が残っているとそれはそれでトラブルが起こるのです。
そのトラブルがTooth Wearと呼ばれる病気です。
Tooth Wearは歯が溶けたり、すり減ったりすることでしみたり痛んだりする病気です。


(写真はイメージ図です)

今回、ある先生の発表で歯がすり減ってしまった高齢者の歯を治療している症例がありました。
今は人生100年時代だから60歳といってもあと40年噛める治療をしないといけない。それには高齢者だからといってある程度の妥協的な治療で終わらせてしまうのではなく、全体の歯の大工事を行なってでも積極的に噛める状態に戻す治療を行なっていくべきではないかとおっしゃっていました。

高齢者だけでなく、過食症や拒食症の影響で歯が溶けてしまう方もいます。特に日本はストレスを溜め込む人が多いです。ストレスは寝ている時の歯軋りや摂食障害にも繋がっていきます。これからどんどんTooth Wearの患者さんが増えていくことと思います。そういう方を助けるためにもTooth Wearをどうやって治療するか、もっと勉強していこうと思いました。

次回はついに最終回です。
院長山﨑が行った学会発表についてお話ししますね。

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日本顎咬合学会・学術大会に参加してきました《その1》

6月17日-18日に東京国際フォーラムで行われた日本顎咬合学会・学術大会に参加してきました。

日本顎咬合学会とは会員数約9000名を擁する国内最大規模の学会です。学会の分野も非常に多岐に渡り、矯正や入れ歯など咬み合わせに関わる発表はもちろんのこと、1本の歯を守るための治療や、衛生士による歯磨きの指導方法など様々な分野の発表があり、とても勉強になりました。

コロナが明けて(?)3年ぶりの現地開催で、みんなウキウキしていたと思います。学会ってウキウキするんですよ。いろんな先生が「俺の症例ドヤァ」ってお披露目するのが学会なんです。そりゃもうすごい発表が盛りだくさんです。それに刺激されて、明日から自分も頑張ろ!ってなれるんです。

夜には勤務医時代に親しくしていた先生たちとの飲み会もあります。築地のお寿司を食べながら「最近どうしてるん?」なんて情報交換をするんです。そっちがメインじゃないですよ?

ちゃんと勉強してきてます!って証明するためにも、どんな学会だったかご報告しますね。

最先端の技術

まずは今回の学会でとても興味深かったトピックをいくつかご紹介します。

フェイススキャン

様々な企業でDX化が進んでいるように、歯科の分野でもデジタル技術を駆使した治療が進んできています。今までは「歯」、「歯を支える骨」、そして「顔の写真」をバラバラのデータで記録して、それを見比べながら治療の計画を立てていました。しかし、歯型の石膏は加工すると元には戻せませんし、アナログのデータでは立体的に歯と骨の位置関係を重ね合わせて見ることはできません。そこでデジタルデータによる加工や重ね合わせの技術が発達して、歯のデジタルデータを記録する口腔内スキャナーや骨を立体的に撮影するCTなどが普及してきています。しちご歯科でもそれらのデータを駆使して安全な矯正治療を行なっています。

 
今回はさらに一歩進んで、新しい機器が日本で発売されることになり展示ブースができていました。それが「フェイススキャン」です。

フェイススキャンは、顔の立体的なデジタルデータを記録するものです。顔の立体のデータを何に使うの?って声が聞こえてきそうですね。

例えば出っ歯を治して綺麗にしたい、という患者さんがいたとします。矯正でもセラミックでもいいですが、治った後の状態がどうなっているか、患者さんはイメージ出来ているでしょうか?「はい、これで治療終わりですよ」と鏡を渡されて前歯を見た時、正面から見ると普通かもしれないけど横から見るとまだ出っ歯やん!ということはたまにあります。

これはドクターがイメージしている治療後の状態が患者さんに伝わってないから起きるトラブルです。治療をする前に「治療が終わったら横顔はこうなります。斜めから見たらこうなります」というのが伝わっていれば、こんなトラブルは起きません。

とはいえ、顔の立体のデジタルデータがなければ正確な治療後のシミュレーションはできません。だから現状では患者さんにイメージしてもらう方法がないのです。平面の横顔写真を加工して見せることはできますが、それはあくまで予想図であり机上の空論である可能性もあります。

今回のフェイススキャンは図にあるように歯と骨と顔とを全て重ね合わせて視覚的に分析できるツールなので、ドクターも診断がしやすいですし、患者さんもイメージがしやすいです。

しちご歯科でもいつかフェイススキャンを導入したいと思っています。実を言うと、このフェイススキャンが出ることは開業前に分かっていました。こちらが開業前にレントゲン機器を選んでいるときの様子です。

当時はまだ韓国でしか発売されていなかったのですが、いずれ日本に来ることが分かっていたのでそれが日本で発売された時にスムーズに導入できるように、同じメーカーのレントゲン機器を購入したのです(えらい!)
同じメーカーじゃないとデータの重ね合わせがうまくいかなかったり、重ね合わせるためにさらに別の機械が必要になったりするのです。なのでいつかは導入する予定なのですが、なんせ高価な機械なのでしばらく待っていただけたらと思います。

歯髄培養治療

いやぁ、本当にこれには度肝を抜かれました。ついに歯科もここまできたか、と感慨深いです。
一般的に、大きい虫歯ができた時には神経を取る治療を行います。歯の中にある神経の正式名称は歯髄(しずい)と言います。歯髄は歯を守っている重要な役目があり、それを取ってしまうと歯の寿命は短くなってしまいます。ですから、できるだけ歯髄を残すためにAIPC(エーアイピーシー)を行ったり、感染した歯髄だけ除去して健康な歯髄をMTAセメントで保護する治療などが行われてきました。

関連ページ

    AIPCについて
    こちらの虫歯治療のページでも触れていますが、また詳しくブログでもご説明しますね

 
でも最新技術を使えば自分の歯髄を復活させることができるのです!!
抜歯した自分の親知らずなどの歯髄を培養保存し、歯髄を全て取り除いた後でその細胞を入れると、なんと歯は感覚を持った元の状態に戻るようです。
まだまだ発展途上の技術ですがこれが安定して結果を残すことができたら歯科にパラダイムシフトが起こることは間違いないです。今までは、歯髄を取った後にはガッタパーチャーというゴムのような人工物を歯の中に入れて密閉していました。
でも大学では習っていたんです。「歯髄が最良の根管充填物です」と。
つまり、どんなに綺麗にガッタパーチャーで歯の中を密閉しても、自分の歯髄で満たされている歯には敵わないんだから、出来るだけ歯髄を残しましょうね、ということです。歯髄を歯の中に充填する(つめる)ことなんて不可能だけど、そういう言われ方をしてきたんです。

でもこれからは違います。悪くなった歯髄を取って、培養した自分の歯髄を充填する。そんな治療が可能になる日が来るんです。
「神経をとった後、どれで詰めるのがいいですか?保険治療なら人工物です。でも自費治療なら最良の根管充填物である自分の歯髄も選べますよ」なんて説明する日がいつか来るということです。ワクワクしますね。

(かなり長くなったので続きは別の記事で紹介します)

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DX推進への取り組み

当院はDX(Digital Transformation)化を積極的に進めていきます。

1.経営の方向性及びデジタル技術等の活用の方向性

経済産業省は、2018年12月に発表した
「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver. 1.0」
において、DXを以下のように定義しています。

“「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」”

DXとは、データとデジタル技術によって商品やビジネス、業務、企業文化等の変革を成し遂げるものであり、その目的は競争力の維持・獲得・強化を果たすことにあります。
当院はこれを強く認識し、DXを活用した医院運営を目指します。

2.経営及びデジタル技術等の活用の具体的な方策(戦略)

歯科の世界でもデジタルを活用した様々な医療機器が開発されています。
より良い治療結果を得るためには精密な手技や精度の高い器材が必要不可欠です。
当院では積極的に最新機器を用いて、少しでも正確な歯科治療を目指します。
今後は3Dプリンターやデジタルプランニングソフトといったデジタル機器の導入を予定しています。

3.戦略を効果的に進めるための体制の提示

院長の山﨑が情報責任者を務め、また適任者をDX推進者として任命することによって、デジタル技術を活用した歯科治療を提供していくための体制を構築します。
さらに、今後は院内での研修・教育も積極的に実施していく予定です。

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しちご歯科のロゴの由来について

こんにちは。谷町六丁目しちご歯科院長の山﨑です。

当院のロゴは外側に7つ、内側に5つの点を使っています。
これは「7」と「5」で「しちご」を表現しているのですが、それとは別にもうひとつ表現しているものがあります。
それは耳の形です。

これは、『患者さんの思いや希望をしっかりとお聞きし、それを診療に反映させていきたい』という当院の治療ポリシーを表現しています。

そう思ったきっかけは、ある日治療中につけるゴム手袋で手が荒れてしまい、皮膚科を受診したときでした。
症状についても原因についても詳しい説明があまりないまま、薬を処方されて診察が終了しました。

処方された薬を塗ったら確かに症状は改善に向かったので、治療として問題があるわけではありません。
しかし、その後も『結局本当は何が原因だったのか』『繰り返す場合はどうすれば良いか』など聞きたいことが聞けなかったことで、もやもやを抱えたことがありました。

自分がどのような歯科医院を作りたいかを考えた時、一番最初に思い至ったのがこの経験です。
『今ある症状に対して、正しい処置をするだけでは、不十分なのではないか』
『症状が改善する、ということは【最低限の治療】であり、今回症状が出た根本的な原因や、再び同じ症状を繰り返さないようにするためにはどうすれば良いのか、という説明こそが大切なのではないか』
そんな考えのもと、しちご歯科の治療ポリシーは生まれました。

当院に来られた患者さんが、何を求めておられるのか。
今困っていることはもちろんのこと、将来に向けてご自分の歯をどうすれば守れるのか。
今まで訊きたくても訊けなかった些細なことや、何気ない歯についての疑問。
どんなことでも、私たちにお話して頂ければと思います。

診療に対する希望や考え方、好みは患者さんごとに細かく違います。
おひとりおひとりの求められるものをしっかり捉えて、オーダーメイドの治療を心がけていきたいです。

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虫歯の治療が怖くて泣いちゃう6歳の男の子の治療法

谷町六丁目しちご歯科 院長の山﨑です。
これを読んでおられる方は、初めて歯医者に行った日のことを覚えていますか?

個人差はありますが、おおよそ3歳頃から虫歯の治療ができる子は増えてきます。
(目安としては“こちらが言ったことの理解が出来る”、“じっと口を開けていられる”の2点です)

今回当院にやってきたのは6歳のお子さんです。
ところが、診察室に入るなり泣き出してしまいました。
お母さんによると、歯医者がとにかく苦手とのこと。
予防接種の注射は我慢できるそうなので、以前歯医者でよほどのトラウマが出来てしまったのでしょう。
診察にあたって詳しく話をお聞きすると、『バキュームで吸う』ことと、『風をシューっとかける』ことが特に苦手だそうです。

ひとまずご本人とお母さんで、「シュー」が何回なら大丈夫なのか、話しあってもらいます。
その結果、とりあえず『「シュー」は2回なら大丈夫』ということに決まりました。
しかし私はこの時点で1回も風をかけないでおこう、と心に決めました。
風がかけられないなら、コットンで拭けば良いのです。
代わりに使える方法があるのならば、なにもわざわざ苦手な方法を選択する必要はありません。

パッと見ただけで虫歯は3箇所。明らかに穴が開いています。
『「ガリガリ」も苦手』ということなので、今回は虫歯をガリガリ取るのもやめておこうと思いました。
虫歯の進行を抑える薬を塗って、セメントで穴を埋める。
それで今日の治療は終わりです。

とはいえ、お子さんは今から何をされるのか分からないので泣いています。
『ここは自分が大嫌いな歯医者だから、またきっと大嫌いな「シュー」と「ガリガリ」をされる』と思っているのでしょう。
不安な気持ちは『何をされるかわからない』という恐怖心から来ることが多いので、まずは今日やることを、使うものを見せながら説明します。

①歯をコットンで拭く
②ふわふわのスポンジで薬を塗る
(実際スポンジに触ってもらい、ふわふわだと確認してもらいます)
③穴が空いているところにセメントを入れる
(セメントを入れる器具も角が丸いので触ってもらいます)

この辺りで、随分泣き止んできてくれました。
治療中も鏡で見てもらおうと思いましたが、自分から目にタオルをかけてくれたのでそれはナシに。
痛いことは何もなかったので、そのままスムーズに治療は終わりました。

虫歯の治療が完全に終わったわけではありません。
しかしこの子には「うまく出来た」という成功体験がとにかく必要です。
この積み重ねが自信になって、ちゃんと治療できる日が来るのです。

この子も帰りにはニコニコでした。
自分で口を引っ張って鏡に映った詰め物を自慢げに見ている姿がかわいかったです。

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矯正歯科を選ぶポイントについてお伝えします

「矯正治療を始めたい!」と思った時、皆さんはどのような点を重視して歯科を選んでいますか?

「治療期間が短い方がいい」
「見た目に分からない方法でしたい」
「やっぱり費用面が気になる……」

重視される点は人それぞれ、患者様によって違うとは思いますが、
絶対に譲れない点がひとつあると思います。
それは

「心から満足できるきれいな歯並びにしてして欲しい!」

ということです。
短くは無い期間と、安くは無い費用をかけるのですから、
信頼出来る歯科で後悔しない矯正治療を受けたいと思うのが当然です。

ではこの『信頼出来る歯科』というものをどうやって選べばいいのか?
これについて今回は、技術的な面で重要な3つのポイントをお伝えしたいと思います。

その3つのポイント、というのがずばりこちらです。

   1.矯正治療をする前にCT検査を行っている

   2.顎関節の位置・噛み合わせを考慮している

   3.前歯の見た目を徹底的に検証している

順番に詳しくご説明致します。

1. 矯正治療をする前にCT検査を受けていますか?

上の写真は、過去に他院で矯正治療を受けられた患者様のCT画像です。
骨の状態を把握せずに歯の並びだけを考えて矯正治療を行ったため、無理な移動により歯が骨から飛び出してしまっています。

歯は骨から飛び出すと、歯茎が下がったり、神経が死んでしまったりします。
こうならないために、CT検査によりまず骨の厚みを確認し、歯を動かせる限界の範囲を事前に把握します。
その上で矯正治療を開始することにより、このようなトラブルを回避することができます。

矯正治療においてCT検査をしている医院はまだ多くはありません。
しちご歯科では、必ず矯正治療前にCT検査を行い、歯にとって無理のない治療計画を立てるので、安心して矯正治療を受けていただくことができます。

2. 顎関節の位置・噛み合わせを考慮した矯正治療を受けていますか?

しちご歯科のCT検査は撮影範囲が広く、顔全体を撮影することが可能です。
これだけ広い範囲を撮影できるCTは珍しいです。
このCT機器を選んだところに、当院のこだわりがあります。

矯正治療では、顎関節と噛み合わせを同時に見ることがとても重要になってきます。
矯正をすれば、噛み合わせを変えることができます。
しかし、顎関節の位置が正しいかどうかをちゃんと見ないまま矯正をすると、顎がずれた状態のままで間違った噛み合わせを作ってしまうことになります。

歯並びが悪い方は、その歯並びにつられて、顎が正しい位置からずれてしまっていることが多いです。
ですが習慣的にその歯並びで過ごしているので、顎がずれていることにも気づきません。
こういった噛み合わせに関する知識を持っている院長の山﨑ですらも、実は自分自身の顎がずれていることに気づかず何十年も過ごしてきました。

そこで、CT検査で広範囲に顎関節を撮影して、顎の位置が正しいかどうかをチェックします。  

もし撮影時に噛み合わせの位置がずれてしまっていると、普段の顎の位置を正確に観察することが出来ません。そしてその状態で撮影した顎の関節のみのCT写真が狭い範囲のCT写真だった場合、それがどんな噛み合わせの状態で撮影されたものか、後で判断することが出来ません。 

顎関節と噛み合わせ、そのどちらも同時に撮影できる、広い範囲のCT検査が必要になるのです。

3. 前歯の見た目を徹底的に検証していますか?

矯正治療によって歯並びを改善するときに、まず考えるのは前歯の位置です。
前歯の位置が決まらないと、他の歯の位置は決まりません。
前歯の位置は、見た目に大きく関わる重要な要素です。

    

上の2枚の写真は、クリスティアーノ・ロナウド選手の矯正前と矯正後です。
ほぼ同じ角度の写真ですが、歯並びが整うだけで、随分と印象が変わることが分かります。

多くの矯正医は顔の写真、特に笑顔の写真を撮影して前歯の位置を決定します。
ですが突然「はい、笑ってください」と言われて、普段笑った時のような満面の笑みを作ることはできるでしょうか?

不自然な作り笑いと、満面の笑みとでは前歯の見え方が全然違います。
不自然な笑顔を参考に前歯の位置を決定してしまっては、矯正治療後に「こんなはずではなかった……」というトラブルが起きるかも知れません。

そこでしちご歯科では、患者様とお話しする間の動画を撮影し、その中で出てきた一番良い笑顔を参考に治療計画を立てていきます。

また矯正治療後のシミュレーション画像を患者様に見ていただき、満足いく仕上がりかどうかを徹底的に話し合った上で、矯正治療をスタートしていきます。

 

以上が、矯正治療を受ける歯科医院を選ぶ際に重要な3つの技術的なポイントです。
当院では、患者様に
「しちご歯科で矯正して良かった!」
と心からご満足いただけるような治療をスタッフ一同心がけております。

不安なことやわからないことなど、どんな些細なことでもご相談ください。

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インビザライン矯正記録 その1

こんにちは。しちご歯科スタッフMです。
前回は矯正治療を受けるに至るまで、のお話をお書きしました。

 
今回は
「じゃあ実際矯正治療を始めるとなったら、どんなふうに治療が始まるの?」
というところを具体的に書いていきたいと思います。

まずは矯正治療の計画を立てるため、データを集める検査を実施していきます。
(検査内容をイメージしやすくするために掲載したブログ内のレントゲン写真などは、
全て私自身のものです)





しちご歯科では、“矯正治療に必要な検査”として以下の8つを行なっています。

①口腔内写真
②パノラマ
③CT
④セファロ
⑤口腔内スキャナ(iTero)
⑥顎関節の検査
⑦顔写真撮影
⑧動画撮影

まずはこのそれぞれについて説明いたしますね。

①口腔内写真



歯やお口の中の状態を記録しておくための写真撮影。
いろんな方向から、今の歯の状態を撮影します。

②パノラマ



大まかな歯の状態や、骨の中の異常を確認するためのレントゲン撮影。
これは実際の私のレントゲン写真なのですが、前歯のところが窮屈そうに沢山重なっていますね……。
私が自分自身の歯並びで一番気になるところです。
ちなみに余談ですが左下(写真では左右反転するので右下)の奥歯の上で真っ白に写っている部分は昔治療した銀歯です。
ここもめちゃくちゃ気になっている(口を開けた時に二つ並んでいてすごく目立つ)ので、矯正が終わったら治療し直してもらう予定にしています。
(保険治療と自費治療の違いもまた機会を見つけてブログで紹介したいと思います!)

 


この①と②は、当院では矯正治療関係なく、初診の際に受けて頂く検査です。
歯の治療をする上で、経過の把握に必要な情報が詰まった大切な検査です。


③CT



顎の骨の状態を確認するために、CTを撮影します。
骨の状態を確認せずに歯を無理に移動させた場合、移動した歯が骨から飛び出してしまうことがあります。
歯を安全に移動させるためには、患者様ご本人の骨の厚みの確認が必要です。
また顎関節と噛み合わせを同時に確認するため、しちご歯科ではかなり広い範囲が撮影できる機器を使用しています。

④セファロ



セファロとは、横顔のレントゲン写真撮影です。決められた距離に基づいて正確に撮影するため、撮影した写真サイズのブレがほとんどなく、治療前後の比較や一般理想値との比較が容易になっています。
この機器は矯正治療の診断のみに用いるため、一般歯科では置いていないことが多いです。

⑤口腔内スキャナ(iTero)



iTeroとは、口腔内をスキャンすることで簡単に3Dデータを取ることができる、3D光学スキャナです。従来であれば、歯型を取る際には印象材という粘土のようなもので物理的に歯型を取っていたのですが、iTeroであれば小さなバーコードスキャナのようなもので歯列をなぞっていくだけで、患者様の歯型のデータを3次元で取ることが出来ます。
これで患者様の歯並びを精密、正確に把握し、具体的な治療計画を立てていきます。

⑥顎関節の検査

院長が患者様ご本人の両耳に指を入れさせて頂き、指先で直接骨の動きを触りながら正しい位置で噛む事が出来ているかチェックします。
私自身実際に受けて驚いたのですが、この検査により今自分が普通に噛んでいる噛み合わせでは、顎の位置がずれていることが判明しました。
この検査により正しい噛み合わせの位置を確認し、それを治療計画に反映させます。

⑦顔写真撮影

患者様ご本人の顔写真を撮影します。
真正面、左右横顔それぞれを、真顔の状態と笑顔の状態で記録します。
歯並びがお顔に与える影響は、想像以上に大きなものです。
撮影したお写真を基に「今こうなっている場所が、矯正後はこうなります」といったご説明をいたします。

⑧動画撮影

スタッフとお話し頂きながら、自然に笑っている表情の動画を撮影します。
矯正治療によって歯並びを改善する時に、まず考えるのは前歯の位置です。
仲の良い友達の前でも「笑ってください」と突然言われて、普段通り笑うことができる方は少ないと思います。それがあまり馴染みのない歯科医院ならなおのことです。
ですが動画でなら、自然に笑顔になった瞬間を切り取ることが出来ます。
⑦でお顔の写真は撮影させて頂いているのですが、当院ではその上で更に、撮影した動画の中で出てきた一番良い笑顔を参考に、治療計画を立てていきます。

 

以上の8つが、しちご歯科で矯正を始めるにあたって必要な検査です。
こうしてみると写真やレントゲンなど、撮影がほとんどですね。
特に痛いことや怖いことはありませんので、安心して検査を受けて頂ければと思います。
この検査で集めたデータを総合して、院長が患者様おひとりおひとりに合った治療プランをしっかり立てさせて頂きます。
またこの中でも特にしちご歯科がこだわっている検査については、下記関連記事をご覧ください。

 

矯正相談は公式LINEでも行っております。

 

ご不安なこと、疑問に思ったことなど、どんな些細なことでもどうぞお気軽にお声がけください。

 

 

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インビザライン矯正記録 その0

初めまして。『谷町六丁目しちご歯科・矯正歯科』スタッフのMです。
当医院は2022年7月1日にオープンいたしました!
患者様にご満足頂ける医院づくりを目指して、院長はじめスタッフ一同日々奮闘しております。
前回より今回。今日より明日。少しずつですが着実にバージョンアップしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

こちらのブログでは診療情報や医院のご紹介、歯にまつわるコラム、地域の情報などなどを書いていきたいと思っております。
情報の正確さは保ちながらも、あまり堅くならない、読んで頂きやすい記事を掲載する予定ですので、どうかお気軽に目を通していただければ嬉しいです。

 


 

さて。初めての投稿では、“矯正治療”についてお話しさせて頂きたいと思います。
しちご歯科では「矯正歯科」と名乗っておりますとおり、矯正治療にも力を入れております。
かくいう私も、この夏より矯正治療を始めることにいたしました!
「矯正治療に興味はあるけれど、実際どんな感じなのか?」
「治療の進め方は?」
「痛みは?」
「期間は?」
「費用は?」
……などなど、疑問も不安も沢山ありますよね。
そこで私自身の体験をこのブログで共有することによって、矯正に興味がある方の情報のひとつになれば良いなと考えています。
現在の歯並びの写真や治療経過など、可能な限りオープンにお話ししたいと思っておりますので、治療完了までお付き合い頂ければ幸いです。

 


 

まず矯正相談に来て頂いた場合、『矯正用の問診』にお答えいただきます。
患者様の悩みやご希望をお伺いし、これをもとにして治療の方法や方針を決定します。
ちなみに私の場合の回答は以下のようなものです。

・前歯が出ているのが気になる、上下の前歯できちんと噛みきれない
・小さい頃に一度ワイヤー矯正をしたが、それでは治り切らなかった
・インビザライン(マウスピース矯正)希望
・治療期間はもちろん早い方が嬉しいが、特に期限などはない。
その後きちんときれいな歯並びを保てることを重視。

このような回答をもとに、院長がしっかりカウンセリングをさせて頂きます。

 

内覧会で私がお話しさせて頂いた方の中に、矯正治療に興味はあるものの、
「もう今更歯列矯正って年齢でもないし……」
と仰られる方が多数いらっしゃいました。

私自身も数年前までは実際そう思っていました。

「就職活動終わったし」「結婚したし」「人前に沢山出るわけじゃないし」今更まぁもう良いか、というような考えです。

ただ一方で、笑顔で写真にうつるのが苦手なことが、とにかくストレスでした。

私は妹と仲が良く一緒によく出かけるのですが、妹は歯並びがとてもきれいで、それはもう絵に描いたような笑顔で写真にうつります。その彼女の隣に並んで、一生懸命唇を閉じた笑顔で写真にうつっていると、やはりどうしても笑顔の不自然さが気になってしまいます。
(恐らく不自然と感じているのは自分だけなのだということも分かってはいるのですが)
また自分の歯並びを気にするあまり、私は普段から笑うときに口元を手で隠す癖があります。

「楽しくて笑っているのに、毎回少しずつストレスを感じている」

このことがもう何十年も本当に気に掛かっていました。

そして矯正治療を考えるにあたって一番引き金になったのが、2年前に体調を崩した時のことです。
少し大掛かりな手術をしたことで食事に制限がかかり、とにかくよく噛んで消化器官に負担をかけないことを担当医に指導されました。
この“よく噛んで食べる”ということを意識していると、同時に、“自分の歯並びではしっかり噛めていない”ということが改めて意識されました。

その時に“きれいな歯並び”が見た目だけに価値があるのものではない、と実感したのです。

「整った歯並びできちんと噛んで食べることが、これからも健康な生活を送るための助けとなり、そのおまけに口元を隠さずに思いっきり笑うことも出来るようになる」なんて、最高にハッピーなのでは!? と思い至ったのですね。

そうして私は「今更矯正なんて」という考えを捨てました。

今現在不自由があるならば。気になることがあるならば。
今更、なんてことはないんじゃないかなと思います。

 

 


 

大人が矯正に至るまでの一事例として、つらつらと私の個人的な体験をお話ししましたが、上記の話も実際に私が院長に相談した話の一部です。
このような相談内容を踏まえて、具体的な治療へと移っていきます。

次回はカウンセリング後の、実際の検査の流れをお話しさせて頂きますね。

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