日本顎咬合学会・学術大会に参加してきました《その2》

6月17日-18日に東京国際フォーラムで行われた日本顎咬合学会・学術大会に参加してきました。

内容が盛り沢山なので、全3回で学会の様子をお届けしています。
前回は学会で紹介されていた『最先端の技術』をご紹介しました。

今後、増えると予想される病気

学会では今後の歯科界の展望なども論じられていました。それについても少しご紹介します。

顎関節症

コロナ禍での長期間のマスク生活で、知らず知らずのうちに身についてしまった悪い習慣があります。それはTCHと呼ばれる癖です。

TCHとはTooth Contacting Habbitの略で、上下の歯を長時間接触させ続ける癖のことです。通常は上下の唇を閉じた時には、歯は接触していません。上下の歯の間には1〜2mmのスペースがあるのが正常です。でも、それが正常だとは誰も認識していないので歯を接触させてしまっている人が増えているようです。

特にマスクをしてスマホを見るために頭を下げている姿勢だと上下の歯は接触しやすいです。その状態で何時間もいると、歯や顎に大きな負荷がかかってしまいます。そして顎関節症になってしまうのです。

逆に顎関節症になってしまった場合の治療法は、まずはTCHを治すことです。TCHについてはこちらで詳しく説明しておりますので、ご覧ください。

 

Tooth Wear

次は高齢者に起こりやすい病気です。昔は高齢になると歯がなくなって入れ歯になる方が多かったです。最近では、自分の歯がちゃんと残っている方が増えてきました。ですが歯が残っているとそれはそれでトラブルが起こるのです。
そのトラブルがTooth Wearと呼ばれる病気です。
Tooth Wearは歯が溶けたり、すり減ったりすることでしみたり痛んだりする病気です。


(写真はイメージ図です)

今回、ある先生の発表で歯がすり減ってしまった高齢者の歯を治療している症例がありました。
今は人生100年時代だから60歳といってもあと40年噛める治療をしないといけない。それには高齢者だからといってある程度の妥協的な治療で終わらせてしまうのではなく、全体の歯の大工事を行なってでも積極的に噛める状態に戻す治療を行なっていくべきではないかとおっしゃっていました。

高齢者だけでなく、過食症や拒食症の影響で歯が溶けてしまう方もいます。特に日本はストレスを溜め込む人が多いです。ストレスは寝ている時の歯軋りや摂食障害にも繋がっていきます。これからどんどんTooth Wearの患者さんが増えていくことと思います。そういう方を助けるためにもTooth Wearをどうやって治療するか、もっと勉強していこうと思いました。

次回はついに最終回です。
院長山﨑が行った学会発表についてお話ししますね。

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